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とにかく、どうにかして帰らなきゃ。
今逃げて、また追いかけっこするのは結構きつい。
さっきの逃走と暑さに体力を奪われてるし。
「凛々ちゃんは今日からバイトね」
手に持ってたボストンバッグを奪われた。
「あ・・・ちょっと何するのよ」
油断してる私の隙をついたわね。
「凛々ちゃんの身柄は今から一ヶ月、俺が預かる事になってるから諦めて」
自信たっぶりに言った森本輝紀。
「嫌よ。休憩室であんなことやってる人の下でなんて働けないわ」
身の危険を感じて仕方ない。
それに、この店はイケメンばっかりで疲れそうだし。
「まぁまぁ、そう言わずに。決定事項だからね。お兄さんからも是非とも頼まれてるから」
と笑う森本輝紀に肩をガクッと落とした。
アホ兄貴、なんて奴に頼んでくれたのよ。
エロが服着て歩いてるような人じゃないか。
「・・・分かりました。働きますよ」
どうせ、ここで駄々を捏ねても意味ないだろうし。
ちょっと働いて逃げてやる。
「よしよし良い子だ。じゃ、奥に行こう」
私の鞄を持ったまま歩き出した森本輝紀。
あ、働くから店長って呼んであげようかね。
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