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「俺と付き合お」
と耳元で囁いたのは恋紀。
「いやいや、俺とだろ」
と凪。
「俺でも良いですよ」
と咲。
「やっぱ俺だろ」
と楽。
「みんな、却下」
一言だけ告げる。
元々、どうしてこうなったのか?と言うと、発端は店長の発言だ。
「凛々ちゃんは可愛いから、前の恋を引きずるなんて勿体ないよ。新しい恋をしないから、いつまでも引きずるんだよ」
とバイトを始めて一週間が経ったある日に言い出したのだ。
本当、ありがた迷惑な発言だ。
で、それに便乗はし始めたバイトのみんなが、1日1度はこんな言葉を投げ掛けて来るようになった。
「俺らの中で1人選べよ」
偉そうに言うのは、楽。
本当に俺様だな。
「いや・・・いいから」
本当に迷惑。
私は恋なんて懲り懲りなんだから。
「どうしてだよ?俺達ぐらいレベル高いと問題ないだろ」
自信たっぷりに言うのは凪。
イケメンはこれだから質が悪い。
「付き合うのが嫌なら。俺が体だけ、慰めてやろう」
恋紀が色っぽい目付きをした。
「可愛い凛々ちゃんをズブズブと甘やかしてあげるよ」
咲、妖艶すぎる。
目の前に迫ってくる4人に怒りが頂点に達した。
余計なお世話だっつ~の!
男なんて、恋なんて、いらないんだから。
「う、うるさ~い!」
こんなところやめてやる!
絶対に辞めてやるんだから。
こうして、私の最悪で最強に運の悪いアルバイトは続くのであった。
To be continued.
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