白い雲、青い空

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お客さんで賑わう海の家、三軒並んだ真ん中が知り合いの経営する店のはずだ。 社会人をしてるお兄ちゃんの知り合いから、ここを紹介された。 なんでも、その人の弟さんが運営してるそうな。 店先には、かき氷スタンドとその隣に浮き輪の販売と貸し出し用のパラソルが置かれている。 水着のギャル達が列を作ってルかき氷スタンドに目を向けると、茶褐色の髪色のイケメンがねじり鉢巻でかき氷を作ってた。 うわぉ、イケメン。 そりゃ、隣のおじさんのかき氷よりこっちに来るよね。 お客の入りが全く違う隣の店に同情の視線を向けた。 そう言えばお兄ちゃんが、イケメンの多い店だから気を付けろって言ってたっけ。 まぁ、失恋したばかり私は、暫く恋なんてしたくないけどね。 だいたい顔の良い男はロクな事がない。   親友と浮気した元カレもイケメンだったのよね。 あ、また思い出したよ。 本当、ムカムカする。 それより、早く挨拶しなきゃ。 ボストンバックを肩に担いで店へと足を踏み入れた。 「いらっしゃい」 「いらっしゃいませ」 「ようこそ」 店内のあちこちから元気の良い声が響く。
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