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「夏なんて……なくなればいいのに……」
「うわっ!びっくりした」
リビングのカーペットに体の力を抜いて寝そべっていると、帰って来たばかりの妹に驚かれた。
「姉ちゃん、そこで寝転がらないでよ……髪の毛長いから余計怖いんだってば」
「あー、髪の毛も切りたい…」
「切りに行けよ」
「行けるわけないでしょー、馬鹿なの、ねぇ、馬鹿なの?」
「うざい、引きこもり」
妹をじろじろと真下から眺める。
私とは違って、日焼けして小麦肌の妹。
健康的で羨ましい。
私は引きこもりではないけれど、休みの日は必ず家から出ない。
中学から大学2年の今の今まで、ずっとそうだ。
中学や高校の頃は、土日は課題や睡眠の時間に使っていたから家からでなかったのだが、大学入ってからは、夏に外にでない生活をしすぎている(6年くらい?)おかげで、ちょっと外に出るだけで具合が悪くなるため外に出られない。
ちなみに、夏でも長袖長ズボンの生活も中学から続けているため、半袖半ズボンで外に出ようものなら、刺されるような痛みに襲われた挙げ句、すぐ日焼けし、その部分が真っ赤になって酷く痒くなる。
「なんで夏なんかあるのー!」
「うるさい」
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