第一章

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俺の職業は警察官。 と言っても、巡査だけどな。 勤務は楽じゃないけど、まぁ仕事なんてものは須らく大変なものだ。 刑事の親父に強く勧められて選んだ仕事だが、まぁ特にやりたい事がなかったし、俺の意に関係なく肩書きは正義だ。 悪い気はしない。 だから俺は、毎日淡々と仕事に励んでいた。 そんなある日。 周辺のパトロールを行っていた時だ。 こんな田舎で何か起きるはずもないだろうにと、文句を言いながら巡回していた時だ。 「ん?」 俺は前方に何かが落ちているのに気がついた。 「あれは……」 近づいてみると、それは鞄だった。 割とでかい。 革製の手提げ鞄だ。 「落とし物か?」 なんて思いながら、拾い上げようとするが……。 「う?」 なんだ? やけに重いが……。 一体何が入ってやがるんだ? まさか、生首とかじゃないだろうな……。 まぁ、いくら推察したところで、鞄の中身なんか知る由もない。 幸い鍵らしきものは掛かってないみたいだ。 「よし、開けてみるか」 俺は意を決して、鞄を開けてみる事にした。 チャックを引いて中身を確認する。 すると、鞄の中身が確認できた。 鞄の中に入っていたもの。 それは、紙だった。 おびただしい数の和紙。 幾束にもなっている。 ざっと見て、1000枚はあるか? これが金だったら、かなりの額だ。 なんて思ったのも束の間。 その紙と俺は目が合った。 正確には、紙に描かれた顔と目が合った。 そして、その顔に俺は身に覚えがあった。 「マジかよ……」 思わず声が出た。 だってその顔は、''諭吉''だったからだ。 要するにだ。 金が落ちていた訳だ。 しかも大金だ。
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