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遺失物法によれば、拾った者には持ち主から、拾った物の一割が謝礼として貰えるそうだ。
約一千万円の内の一割となると、謝礼は百万円ぐらいか?
悪くない。
俺が大金を老婆の前に持って行った時。
「あぁ……
これです、これを探していたんです」
心底安心安心していた。
そして、続ける。
「あなたが拾って下さったんですか?」
「えぇ、巡回中にね」
「そうですか
拾って下さった方があなたで良かった
もし、悪しき輩に拾われたと思うと、気が気でありませんでした」
「まぁ、そうですね」
「よろしかったら、謝礼をお渡ししたいのですが……
確か、遺失物の一割でしたよね?」
キタ。
「えぇ?
いいんですか?」
一応、確認する俺。
「勿論です
それが、決まりですから」
よっしゃ!
「じゃあ、遠慮なく」
俺が謝礼を貰おうとした時。
「あ、その事なんだけど」
上司が口を出してきた。
あ、なんだよ?
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