第一章

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遺失物法によれば、拾った者には持ち主から、拾った物の一割が謝礼として貰えるそうだ。 約一千万円の内の一割となると、謝礼は百万円ぐらいか? 悪くない。 俺が大金を老婆の前に持って行った時。 「あぁ…… これです、これを探していたんです」 心底安心安心していた。 そして、続ける。 「あなたが拾って下さったんですか?」 「えぇ、巡回中にね」 「そうですか 拾って下さった方があなたで良かった もし、悪しき輩に拾われたと思うと、気が気でありませんでした」 「まぁ、そうですね」 「よろしかったら、謝礼をお渡ししたいのですが…… 確か、遺失物の一割でしたよね?」 キタ。 「えぇ? いいんですか?」 一応、確認する俺。 「勿論です それが、決まりですから」 よっしゃ! 「じゃあ、遠慮なく」 俺が謝礼を貰おうとした時。 「あ、その事なんだけど」 上司が口を出してきた。 あ、なんだよ?
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