深夜の体育館

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「ふう…終わった」 大量の資料を片付けた時、壁時計は23時を過ぎていた… 大手会社に就職して一年近くなるボクは有能なエンジニアとして、周囲から信頼を得ていたが… 158の低身長と… 自ら鏡に映る顔を見るのも嫌くらい、少女みたいな顔立ちがコンプレックスで異性との付き合いも一度もない… 異性より同性からの求愛が多いのも悩みだ。 「お疲れ様です…」 まだまだ深夜のオフィスに数人の社員が残っていて、彼らに声をかける。 「おう…お疲れ!」 まともな返事をかえす人もいれば… 「ハル~、オレとシない~」 破廉恥な言葉を言ってボクに迫ろうとする奴も… 足早にオフィスを後にしたボクは会社から徒歩10分ほどの賃貸マンションへ、トボトボと歩いた… 「あれ…?」 23時半は過ぎてるのに、いつもは真っ暗の夜道が明るいことに気付いたボクは左側に視線を向けた…
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