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「春、
秋をよろしくな」
義父は頭を下げる。
「秋、
皆を困らせないようにね…」
母は秋を抱きしめたままハンカチで目元を押さえている。
「パパ、ママ!
泣かないで…時々帰るから!」
秋も涙でぐしゃぐしゃになった笑顔で義父と母に抱きついている。
秋の荷物を車に積み終えたボクは3人の様子を、微笑ましく見えて少し妬けた…
「お義父さん、お母さん、
秋をしっかり可愛がりますから。
ボクも時々、皆を連れて帰ってくるよ」
ボクも涙をグッと堪え、2人に頭を下げる。
「今日は突然、
お邪魔しましてごめんなさい。
春の子どもが生まれましたら、抱っこさせて
くださいね。あ、ミホさんの子どももね!」
アケミは大きな身体を折り曲げて母を抱きしめる。
「今日はお邪魔しました。
暖かく出迎えて頂きまして、
ありがとうございました。
秋ちゃんと仲良くしますから、心配はしないで
くださいね」
ミホも2人にお辞儀するように、上半身を45度曲げる。
「気を付けてね…」
肩を寄せ合って手を振る2人に見送られて、ボクは車を発進させた…
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