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「えっ、戦う相手なんていたの?」
俺がそう返事をすると、
「あはは、いいねぇ~、君は。
とにかく、その辺の店でお茶しようぜ」
と俺に本を返すと、宮本は、さっさと歩き出した。 適当に店を見付けると、宮本と中に入り。宮本はテーブル席でコーヒーを、俺は銀河フルーツミックスジュースを頼んだ。
俺はコーヒーなんて飲む奴がいるんだと、驚いてしまった、
ターミナル星に来たら、銀河フルーツジュースでしょ!
子供から大人まで大人気の飲み物を、飲まないなんて変わった奴だなと、思ってしまった。
宮本は運ばれて来たコーヒーを飲むと。
フーッと、一息つき、
「アーチストってぇのは、帝国の近衛兵の事だよ」
と小声で言った。何故?小声なんだ。
俺は本屋の爺さんの、たちが悪いを思い出した。 だが、イヤイヤ、エロ本が、たちが悪いの意味が分からん。 むしろ、たちが良いような・・・。
と言う、つまらん下ネタを頭の中で、フッと思いながら、
「帝国って4千年前に滅んだんだろ。そんな、化け物みたいなのが、まだ生きてるの?」
と聞くと、
「アホ、300年前だ連邦暦の。4千年も生きてるかい。その子供の子供、子孫だろうな」
そりゃそうだ、Bエリアでも、生体部品を取り換えた300才が、この間死んだと銀河ニュースで流れた程だ。一般人は、100才前後で死んでしまう。
「へぇ~、何で戦うんだ?そいつら強いのか」
俺が他人事の様に聞くと、
「お前さん、キャプテンカイ知ってるよな」
「あ~、あのドラマだろ。帝国の裏切者、連邦の為に戦うスーパー戦士。ガキの頃には憧れたもんだよ」
「そのモデルが、アーチストだ」
俺はギョっとした。
それもそのはず、カイの強さと言ったら。ガキの頃は喜んで見ていたが、あまりにも子供騙しの強さ、御都合主義、荒唐無稽な技の数々。あれが敵?本当にいたの?
俺はビックリして言葉を失っていた。
「あんなに、強いの!」
俺が真剣に聞くので、宮本は、キョロキョロ回りを見ると、声を落とせと手で合図して。
「アホ、ありゃドラマだ。でも・・・、噂では、あれ以上と聞くけどな。まあ、噂話なんてのは、大抵、誇張が入るからな」
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