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「防御も出来ないが、避けりゃ、なんて事無い技だな」
宮本が、そう言った。
「ビビったろ」
俺は言い返した。
「それぐらいなら、俺でも」
と宮本が回し蹴りを放ってきた。俺は手で受けた、内側へと潜り込めば威力は失われる。
しかし、受け方が悪かった。グラリときてしまった俺は、慌てて奴の死角へと逃げた。
「やるねぇ~、本気出しただろ」
と俺が言うと、
「ほう、まだまだ、手加減をしているとでも」
と宮本が再び攻撃してきた。
接近戦になり手足を激しく、お互い動かし捻り攻撃と防御を遣り続けた。
1発良いのを腹に貰ってしまった。
「うっ、やるな」
二人は離れた。
宮本はニヤリと笑って、俺の様子を見ていた。暫く痛かったが、大丈夫を示す為、
「ヤーッ!」
と俺から攻撃を始めた。
宮本は素早くかわした。そして、直ぐ様返し技を放ち、俺の右手を左手で掴み倒すと、顔に拳を撃ち込もうとして、寸止めした。
俺は敗けていた。目を合わせて頷くと、二人は中央で礼をして、休んだ。
「参った、初めて敗けた。お前腕上げたな」
「あはは、良く言うよ。本気じゃ無いくせに」
「いや~、本気だったよ」
「そうかい。でも、お前には気迫が無かった」
「友人相手だと、遣りづらいよ」
「優しいなぁお前。でも戦場では相手が俺でも、冷酷に撃ち込まないと死ぬぞ」
「ああ、分かってる、分かってる」
二人はハアハア、肩で息を切らしながら、タオルで汗を拭いた。
「新宙拳て、どのくらい技があるんだろう。
俺は習った事無いし、盗み見るだけだから、良く知らんのだが」
と息が整い汗も引いてきたので、俺が質問すると。
「う~ん。300位、型があるって言ってたな」
と宮本。
「300!誰が知ってるんだ、そんなに」
「ああ、全て知ってる人は、2~3人じゃ、この広い銀河でも。でも、マスタークラスは100以上は知っていないと、為れないらしいぜ」
「一体、誰が造った、技だぁ~?」
「ふーん、何でも連邦が出来る頃、各星域の実戦で有効な技を集めたって話だ。
300の型のビデオ売ってるぜ、高いけど。
親父、持ってんじゃなかったかな」
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