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俺は思わず
｢こんなからくりが・・・｣
と呟いた
｢あははは、一応追われている身なのでな
仕掛けは色々さ｣
このおっさんを誰が追っているのやら
俺なら馬鹿馬鹿しく成って止めるがな
と思っていると
１つのドアを開け中へと入った
俺も続くと中はクローゼット部屋だった。
しかも地下と上までグルグル回る
立体駐車場の様な洋服掛けが
突き当たりの壁側にあり
更に周りには夥しい服、カツラ顔用のゴム
メイクセット、その他ありとあらゆる物があり
一角には姿見の鏡もあった
｢こりゃ凄い
どっかの特撮メーク技術の部屋ですね｣
｢愚かな、それを上回る
この部屋でほぼ無限の変装が出来る様になっている
ＢエリアＣエリアＤ、Ｅ、Ｆ、Ｇエリアから
Ｉエリア、そして辺境の農夫から
技士まで何でも化けられる、今日は・・・｣
｢パターンＡダッシュ３｣
と俺が言うと
｢ああ、そうだったな・・・パターンＡパターンＡ｣
と探しだした、片付けは下手な様だ
何を探しているのかこっちはまるで分からなかった
男物を出したかと思うと女物
女？と思っているとサラリーマン、軍服、看護士
えっ！何に成るの？と見ていると
｢これだ、よし、部屋を出て居間で待て｣
と言われた
｢居間ってあのレトロな山小屋部屋ですか？｣
｢そうだ、一々部屋に名前など無い
兎に角、出ろ！｣
連れてきておいて、出ろは無いだろう・・・
ああそうか、変装解かなきゃ変装出来ないものな
フッ覗いてやろうと思っていると
部屋を出た途端に、ガチャ！と鍵を掛けられた
｢そうだよね・・・｣
俺は仕方なくレトロ部屋へと戻った
暇なので調度品を調べて回った
確かに見た目は古いが、汚れてもいるが
全てわざとやったもの
又は掃除を意図的にしていないものばかりだった
と、そこに黒い電話機を見付けた
時代劇で良く見る丸い平板に穴が空いている
ダイヤル式と言う奴だ
指を差し込んで回そうとしたが回らなかった。
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