「これ、借ります」

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―――――――――――――――― 開館直後の午前八時過ぎ ―――――――――――――――― 「これ、借ります」 この日もいつもの時間に王子が登場。 スーツ姿、なかなか馴染んできたね。 出世問題はどうなったのだろう? 「図書カードをお願いします」 私は本のタイトルに目を向ける。 『永くつづく社内恋愛🎀バレない秘訣』 私の胃が、重くなる。 ・・・え?ちょっと、待って 彼女、いたの?! しかも、相手は社内の人!? 私は目眩を覚えながらも、バーコードを読み取った。 よりによって、サエコと同じ本を借りていくし! 今日の本は、何かの間違いなはず。 そうだ。誰かに頼まれているのかもしれない! 私はそう信じることに決めた。
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