「これ、借ります」

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―――――――――――――――― 昼休みになり三十分が過ぎた頃 ―――――――――――――――― 「これ、借ります」 ハゲおやじが、二冊の本をカウンターに差し出す。 そういえば、離婚問題は解決したのだろうか? 私は身内でもないのに、そんなことを思いながら、本のタイトルに目を向ける。 『失敗しない弁護士選び』 『熟年離婚問題に強い弁護士の特徴』 ちょ、おやじ・・・ 裁判、受け入れちゃうのかよ!? せめて、奥さんに説得したの? そういや前週は、奥さんの心を理解しようとしていたよね。 そして翌週には、このタイトルたち。 私は気づけば、強くバーコードを当てていた。 私は、おやじが裁判を受け入れたことにモヤモヤしていた。
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