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翌週
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開館直後の午前八時過ぎ
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「これ、借ります」
いつものカッコいい王子。
彼女がいることが発覚してから、一週間。
しかもお相手は社内の人だし。
私は頭の中で、見たくない言葉を連想する。
「図書カードをお願いします」
深呼吸をし、本のタイトルに目を向ける。
『夜景が綺麗なホテルTOKYO🌃最新版』
一冊目。私の心が重たくなる。
バーコードを読み取り、その下の2冊目に目を向ける。
『はじめての泊まり込み出張~こうすれば上手くいく!スケジュール管理~』
そのタイトルを見たとたん、私の胃袋は少しだけ救われた。
ホテルの本だけど、これ・・・
出張だからだよね?
仕事で行くから、この本が必要なんだよね?
彼女と泊まるためじゃないよね?
しかもこの本、前にサエコも借りてたような……
私は祈る気持ちで、バーコードを読み取った。
もう、疲れる・・・
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