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『彼』が本を借りる時間は、いつも開館直後。
「これ、借ります」
そして、いつも二冊ほど本を借りてゆく。
まだ不慣れな、スーツ姿
清潔感のある綺麗な黒髪
汚れ一つ無いビジネス鞄
私は、知ってるよ。
あなたは、この春、ここに入社したばかりの新入社員だということを。
そんな彼は、いつも
『上司と上手くいく方法🏢』
『上司は新人のココを見ている👀』
決まって仕事関連の本を借りてゆく。
今日は、コミュニケーション関連かぁ。
上司と上手くいってないのかぁ。
あぁ!私が、ぐちを聞いてあげたいのに!!
そんなことを思うものの、だがしかし図書館でこれから本を借りようとしているひとに、ただの貸し出しカウンターにいる私が、私語を話しかけるわけにもいかず
私はバーコードを読み取るだけなのだった。
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