「これ、借ります」

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―――――――――――――――― 昼休みになり三十分が過ぎた頃 ―――――――――――――――― 「これ、借ります」 2冊の本を出してきたのは、ハゲおやじ。 たしか先週は、部下への接し方に悩んでたんだっけ。 どう?その後。本は役に立ったのかしら。 私は好奇心を抱きながら、タイトルに目を向けると 『妻から熟年離婚を切り出されたら、あなたはどうしますか?』 『熟年離婚~それは、ある日突然やってくる~』 ――――ちょ、なに。 おやじ、奥さんに捨てられそうなの? ま、私には関係ないんだけど・・・ ―――――――――――――――― 閉館直前の午後七時五分前 ―――――――――――――――― 「これ、借ります」 イヤミの美女ことサエコがカウンターにやってきた。 「図書カードをお願いします」 私は本のタイトルに目を向ける。 『彼と泊まりたい❤人気のホテル』 『夜景が綺麗なTOKYOホテル🌃最新版』 ていうか、彼―― 手、早くない?! たしか先週は、電話番号も知らない関係だったはず。 もうお泊まりですか・・・ もしかして、付き合ってるとか?! でも、一週間前には電話番号も知らなかった仲なのに・・・進むの早すぎない? 遊ばれてるんじゃないの? まぁ、 私には、関係ないんだけど・・・
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