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3月1日。
春を感じさせる麗らかな日差しの中、僕たちは卒業式に臨んだ。
ああ、ここに通うのも今日が最後なんだ。
そう思うと、教室も廊下も体育館も、いつも気にしないどこもかしこもが離れがたく感じる。
あまり好きではなかった担任にさえ『ありがとうございました』って抱きつきたいくらいに、変にテンションが上がっている。
クラス替えがなかった教室には、3年前と同じ顔ぶれが並ぶ。
意識しなかったけどやっぱりみんな成長していて、3年間という時間の経過を感じずにはいられない。
「いよいよだな」
京介に言われて頷く。
そう、式が終わればもうみんなとはお別れなんだ。
今まで当たり前のように感じていた日常が無くなってしまうんだ。
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