卒業式

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「思い出した? 君が好きだよ。 三条 真弘(さんじょう まひろ)君。 ねえ、俺じゃダメかな? 俺なら君を泣かせたりしないよ」 そうだ、これは類が僕にしてくれた告白だ。 確かあの時、僕は断ったんだ。 でも……。 「長瀬 類君。 君が好きです。 僕と付き合って下さい」 「はい」 類が僕をぎゅっと抱き締めた。 僕たちの出会いのこの場所で、もう一度告白が出来て良かった。 ここからまた新しい未来が始まるんだね。 僕は類の耳に囁いた。 「ねえ、早く帰ろう。 キスしたくなっちゃった」 「ま、真弘っ!」 類の顔が今まで見たこともないくらい真っ赤に染まる。 何かを言おうとして口をパカッと開けた類は、何も言わずに再び口を閉じた。 そして、僕の腕を掴んで歩きだした。
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