初恋

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昨日この場所で京介は僕に言ったんだ。 「俺、東京の大学行くよ。 スカウトされたんだ。 だから、ごめん。 真弘と同じ大学には行けない」 野球経験なんて全く無かったのに、チームは相変わらず弱すぎたのに、君だけが遠くにいっちゃうんだね。 「おめでとう。良かったね。 京介なら、どこでだって頑張れるよ。 応援してるから」 泣きそうになるのを我慢して、僕は精一杯の笑顔を作った。 「ありがとう。 真弘にそういったもらえると勇気が出るよ。 俺頑張るから、真弘も受験頑張って」 「ありがとう。お互い頑張ろうね」 京介は今までで見た一番眩しい笑顔で、言ったんだ。 「真弘と親友で良かった」って。
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