わからないこと(静也目線)

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そんな静也が今働いているカフェは見た目からチャラい先輩と美しい見た目で可愛らしい声、柔らかい言葉遣いの先輩と 先代から引き継いだブレンドコーヒーの味を頑なに守る店主とホットサンドの達人がいる。 静也が働く前は学生とコーヒーを愛する常連客が来ていた。 ところが通りすがりの人々が目にした静也の丁寧な接客、爽やかに注文をとっていく姿が評判となり客層に変化が起きた。 それでも静也にとっては仕事は仕事でしかない。 客層に関心はなかった。 むしろ美しい雪村がほぼ笑わず表情が固い、もしくはうんざりしている、ため息を吐くなど気持ちの表れが限られていることが妙で気にかかった。 始めは「プライベートがごたついて笑えない状況なのかもしれない」と感じていた。 時が経ち、どうやらいつもこういう感じの人らしいとわかった。 冷たくされることに慣れていない静也からすれば貴重な存在である。
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