53人が本棚に入れています
本棚に追加
(そんな話を信じろなんて無理なんですけど)
「寛がこの店に来た時のこと思い出してみろよ、オレが入る隙間なかっただろ?」
"寛"というのが篭囲さんの名にあたるのも雪村さんの恋人なのも知っている。
そして彼がめちゃくちゃ束縛が激しく、嫉妬しやすい人なのも。
ただ嫌なイメージはなく彼がここで一通り男性にからんだ時、雪村さんが始終困った顔をしていたのも怒れなかったからだろう。
なんというか雪村さんを好きだから感情的にしゃべったり人を睨んだり―――あの人の場合は態度が悪いというより男として余裕がないといった感じだった。
少し微笑ましかったのは彼女を見る篭囲さんの顔はとろけていて見た目が冷たげな顔で整っている分ギャップが激しかったことだ。
最初のコメントを投稿しよう!