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「うん、別に無理しなくていい。
嫌なこと教えてくれてありがとう」
そう言って篭囲が離れていくと紅箜はほっとした。
彼女は部屋を出ると「言い方、うまくなくて機嫌悪くしちゃったかな?」と訊き篭囲は困った顔をした。
「別に。くくちゃん、苦手なこと多いよね。
合わせるから気にしないで」
そう穏やかな表情で言われ紅箜は思わず「選んだ服をどうしても着せたいとは思ってないってこと?」と詰問するような調子で訊いた。
「……けっこうこだわるんだね。
おれはくくちゃんが好きだから可愛らしい服を着た姿ももっと見たいな」
「……服くらい好きなの着たいけど別にこだわりが強いわけじゃないから着ろって言うならもう少し若い感じの格好もするようにする」
篭囲は笑って「嫌なら別にいいって!」と可笑しそうに言った。
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