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紅箜は午後から店に来て店主から閑の話を聞いた。
驚きはしなかった。
そういうのもありなんだ、と思い少しほっとしたような思いだった。
ふと帰り支度をしに行った静也の電話の声が耳に入り紅箜はどうもあの楠田という女のコがまた来るらしい(ここで落ち合ってデートのようだ)とわかった。
ところが少しすると静也は一人で帰っていった。
※
静也は店から離れこちらに歩いてくる桐子を見つけると「おっそ!」と言葉をかけた。
「そんなに待たせてないでしょ?」
「けっこう待たされた」
「じゃあ今度から気を付ける……」
静也は「もしかして……時計の時間ずれてないか?」と彼女の左手首の袖をまくって腕時計を見た。
思った通り時間がずれている。
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