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「客が入るかどうかわからん……ランチは一人で回すくらいに繁盛すれば利益がなくてもやったらいい。
店の場所にもよるがもともと高くすると客足が遠退きがちなランチで廃棄が出るとかなりの痛手だ」
紅箜はニコッと笑うと「いっそ私を新たに出す店に移されてはどうでしょう?」と提案した。
店主はかなり驚き「お前じゃこれからみっちり指導しなけりゃ使いもんにならねえな」と返した。
「私、わりと暗記も動きを体に叩き込むのも得意ですし、開店させるまであまり指導の期間がとれないのならマスターと私で開店を乗り切って
瑪瑙さんに本店を無理矢理回させるように仕組めば私の方を移す方が得策では?」
店主は紅箜を見て「できないとは言わねえがただお前のプライベートの時間が削れる」と答えた。
紅箜は笑顔を崩さず「どちらでも」と答えた。
先ほどと同じ女性客が会計の際に紅箜にニッコリ笑い「雪村さんって小野君とは一定の距離を保てるのに瑪瑙君とは近づいたり離れたり面白いわね」と言ってきた。
「お客様は小野君とはあまりお話しされませんよね。
私は顔なんかじゃ判断しない女性を同類だとは思いますけど勘ぐられても私は瑪瑙さんとは何もございません」
「私が彼にアプローチしても気にしない?」
「もちろん。むしろ私は応援させてもらいます」
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