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「そんなことある!
篭囲さんは確かにくくを苦しめようとするタイプじゃないし、恋人やら惚れてくれる女の子を不幸にするほど身勝手に振る舞うタイプじゃない。
でも見た目を変えないとってアンタが不得意な部分をわざわざ注意するわ、メイク教えて実際やってみるようぐいぐい勧めて、
私はアンタが可愛い服を眺めて戸惑いながら『パフスリーブとかありえない』って売り場でつぶやくの見てすんごい心配になったことあった。
くくは男とケンカができなくて困ってもずるずる言われるがままだろうって」
紅箜は全部開けっ広げに話せれば誤解を解けるのにと残念に思いながら「篭囲さんとケンカくらいできるけどそれと瑪瑙さんへの思いとなんのつながりがあるの?」と訊いた。
「片思いだったのは聞いてたけど瑪瑙さんを好きだったのって恋愛じゃなくない?」
「何それ」
「混同しただけじゃん。珍しく異性としてくくに無関心な男がいて恩もあってその人と親しくなって性欲をもて余して
始めから職場での兄貴分だったんじゃない?」
「……え?」
紅箜はいろいろ瑪瑙との思い出を振り返り「ないない、あれは私の中では恋愛だったよ」と否定した。
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