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「でもくくが篭囲さんと初めて会った後私にいろいろあの人のことを聞かせてくれた時アンタすっごいプリプリ不満ばっか並べて
ああ気になってるんだな、交際するんだろうなってわかりやすかったけどな」
「確かに豊子に愚痴をこぼしたのは覚えてる。でもわたし、そんな話し方だったっけ?」
「なんか照れててむきになっててあの人の顔立ちをいいって認めてたし、普段よりべらべらしゃべってきたから」
「初対面の時は軽蔑してるところもあったんだけどね」
「うん、それも含めて意識しちゃってるのがなんとなくわかったから交際するの予想できたよ」
紅箜は必死に否定しようと「私は女装してたことがあるとかきちんと付き合った相手はまだいないとかモテないタイプかもってべらべらしゃべっただけでしょ」と言ったが
それも鼻で笑われ「一緒にいて悪い気はしなかったって言ってたじゃない」と言い返された。
紅箜は(だって優しかったし話しやすかったんだもの)と心の中で言い訳をした。
豊子は「軽蔑って無関心と比べれば『気になってた』ってことだから好きになる前兆ってこともなきにしもあらずでしょ」と言ってきた。
「えー」
「くくってけっこう自分の感情をわかってないよね」
「どこが?」
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