キス命令

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相変わらずお母さんはあれの入った紙袋を私に押しつけてくる。 そういう理解があるのはいいと思うけど、ここまで開けっぴろげなのはどうかと思う。 「……また増えた」 引き出しを開けて見せると、ナオくんも一緒に苦笑い。 「リコが高校卒業するまで待つって決めたもんな。 仕方ない」 「だね」 ゆっくりと私の髪を撫でた手は頬を撫で、離れる。 細められた瞳の目尻が下がって、私は目を閉じた。 【終】
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