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……はぁーっ、世話焼き体質のお母さんにため息が出る。
頼まれてもないのに、名乗り出ることないじゃない。
「なに云ってんの、昔は一緒に遊んだ仲でしょ。
困ってるときはお互い様。
部屋は智行の部屋、使ってもらうから。
片付け、手伝ってね」
「……はい」
お母さんが一度決めたことにいくら反論したって無駄。
うちではお母さんの決めたことは絶対、なのだ。
ナオくん……坂宮直毅は、私、鳥海碧子の二従兄弟(ふたいとこ)。
年は現在高二の私の一つ上。
曾祖母(ひいばあ)ちゃんが健在の頃は、夏休み、一緒に預けられてた。
でも、当時からインドア派の私は、山を駆け回るナオくんに苦手意識しかなくて。
当然、あまりいい思い出どころか悪い思い出しかない。
そんなナオくんを一夏もうちで預かる?
ほんと、やめてほしい。
私の願いとは裏腹に、準備は着々と進んでいく。
今日はお母さんに命じられて、嫌々弟の智行と部屋の片付け。
小三の智行は、自分の部屋はおもちゃ置き場と寝るときくらいしか使ってないので、別に文句はないらしい。
遊びながら片付けるのでいっこうに進まない智行と、気乗りしないで片付けるからいっこうに進まない私に、お母さんの雷が落ちたのは云うまでもない。
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