雷鳴の中の恋

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私の前の席にドカッと座ると、胸ポケットからピンクのグロスを取り出しチョンチョンと唇に乗せている。 「香織、パンツ見えそうだよ」 「見えないって。それよりさぁ・・・」 グロスをポケットに戻し、前のめりになる。 「瑞希って、あの『謎王子』と付き合ってるってホント」 「だから、付き合ってないってば・・・」 ここ数日で何回この質問をされただろうか。 机の中の教科書をカバンにしまいながら、ため息混じりに答えた。
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