雷鳴の中の恋

5/30
前へ
/30ページ
次へ
そんな『謎王子』の小泉くんは、教科書・ノート類の全てをロッカーに置いてあるらしく、休み時間の度に取りに来る。 そのロッカーが私の席の真後ろなのだ。 そのせいもあって、この席になってからというもの小泉くんと話す機会が増えた。 『佐伯、次の授業って何?』 『佐伯、数学って宿題出てた?』 『佐伯、英語の宿題写させて』 などなど。 相手が小泉くんでなければ別にどうという会話ではないのだけれど、クラスメイトの中では『あの小泉が女子と喋ってる=付き合ってる』という風になってしまったらしい。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加