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「あれっ、見失っちゃった…。」
走って追いかけたはずなのに、私はあの天使さんを見失ってしまった。
「ちょっ、ちょっと!未智!あんた走るの速すぎよ!」
優梨奈が息を切らしながらやって来た。
「あ、優梨奈ごめんね?
でも、天使さんを見失っちゃったよ…。」
「大丈夫よ、同じ学校なんだし。」
「そっか…。そうだよね!」
同じ学校なら、また、会えるはずだよね?
「あっ、未智!クラス表貼られてる!」
「本当だ!えっと、私の名前は…。」
1組、2組…あっ、3組だ!
「優梨奈!私3組だよ!」
「私も3組!」
「本当??よかったー。優梨奈がいないと不安だらけだったよ。」
3組の名簿の中には
伊藤 優梨奈
村崎 未智
の名前があった。
「私も未智と一緒でうれしいよ!イケメンがいると
いいねー!」
「そうだね!ついでに、あの天使さんも同じクラスならいいのになー…。」
「そんなにイケメンだったの?」
「えっ!ううん、顔は見てないからイケメンかどうかは…。でも、声は優しそうだったよ!
あーあ、あれが運命の出会いだったらよかったのに。」
「そうなの?私、てっきりイケメンだからあんたが気になっているのかと思ったわ。声はあんまり気にしてなかったしねー。でも、大丈夫よ。もし未智とその、天使さん?が運命で繋がっているなら、またどこかで絶対に会えるわよ。運命ってそういうものでしょ?
案外、本当に同じクラスなのかもよ!」
そうだったらいいな…。
そんな淡い期待を胸に私たちは3組へ向かった。
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