第1章

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 私があさひの向かいに座ると、あさひが、 「どう?ホストと話しできた?」 聞いてきた。  初め私は何のことかわからず、あさひの 言葉の意味が理解できなかった。  そしてら、あさひがもう一度、 「お金返してくれるって?」 聞いてきたんで、やっと理解できた。  正直、私はお金の話をすること自体が嫌 い。  誰かが損するとか得するとか、たった それだけのことで、みんなが喧嘩するなん て、理解できない。  私の両親も、いつもお金のことで喧嘩し てた。  「お金のことさえなければ、みんなが 仲良くなれるのに」っていつも思う。  パーティーのお金だっていつも私が会計 やるのは、それが理由。  余れば次に回せばいいし、足りなければ、 私が出せば、全部丸く収まる。  ほんとうにお金のことでガタガタ言いた くないの。  だから、私自身はホストからお金が返っ て来なくても、私がお金の話をしなければ、 ホストファミリーが仲良くできれば、それ でいいと思ってる。  もちろん、全部を私が負担すればなんの 問題もないのだけれど、今の所はそうも行 かない。  私が、今のホストファミリーで挨拶した 時に、 「紗季のために家をリフォームしたからね」 そう言っていた。  もちろん、私のホスト費用の全額$25,000 (300万円以上)の全額を使ったとは思えな いけど、それでも、Joyの入院の時の事を考 えれば、ホスト費用が無かったら、リフォー ムなんてしなかったと思う。
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