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昨夜、ホリさんから召集メールが届いた。お盆が明けたのでフィールドワーク再開ということらしい。それをレイカに話したら行きたいと言うので、参加できるようにホリさんに頼んでおいた。レイカは魔女の箱庭の件で、オカルトに興味を持ったのかもしれない。でも、あんな体験何度もしたいか。
今日のレイカは黒の薄いレース生地のワンピースを纏い、大きなつばのペーパーハットを被っている。ワンピースが白かったら避暑地のマダムだ。集合は10時だった。二人で部室に入っていくと、彼女に視線が集まった。
「おっ、来たな」
ホリさんは相変わらず暑苦しい感じがした。いい意味で。
「今日は森崎の友達が体験入部ということで参加する」
「黒川レイカです。よろしくお願いします」
彼女は実にお淑やかに挨拶した。
「りなっち、友達いるんだ」
大沢が真顔で言った。思い切り睨んでやった。
「こちらが会長のホリさん。このクソ失礼なやつが大沢」
「よろしくお願いします」
「で、そこで気配を消しているのが永山ララさん」
「良い名前ね。あっ、ガンダムの子と一緒?」
レイカは果敢にもテンション高めで話しかけた。
「それはララァです。潘恵子さんの声は好きですが」
ララさんは独り言のように言った。
「はん・・・?」
レイカは何て返して良いか分からず、黙ってしまった。
「そう言えば、ヒロミさんは?」
「まだ実家の岩手から戻ってこない。まあ、ゆっくりしてくればいいさ」
ホリさんは遠い目をして言った。
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