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「ところで、今日はどこへ行くんですか?」
「奥多摩湖だ。あの辺は廃墟が点在する。心霊スポットもいくつかあるんだ」
また湖。ホリさんは何を見て探しているのだろう。前回も結局オカルトじゃなかったし。
「廃墟で死体を見つけるパターンですね」
大沢が楽しそうに言った。なに笑ってんだ。
「それはもう勘弁して欲しいな」
祖母によると、それは私のせいらしい。死体はもう本当に見たくないんだけど。
「それでは行ってみよう!」
部室を出て、みんなでぞろぞろと歩く。ホリさんと大沢は正門の方ではなく、駐車場へ向かっていく。
「あれ、ホリさん電車じゃないんですか?」
「電車も通ってない所へ行くんだ。バスは走ってるんだが、いろいろ周るなら車の方が小回りがきく」
「車?」
駐車場に止まっている車を見て、私は戦慄した。
「これって・・・」
死体で潰れた大沢の家の車じゃん!てっきり廃車にしたと思っていた。
「やっと直ったんだ」
大沢は嬉しそうに言った。この人何かズレてる。気持ち悪いとか思わないのか。
「まさか、これで出掛けるの?」
ララさんまで顔が引きつっている。
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