第4章 花火

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[廿弐] 結局BBQの片づけが済んで、帰るのかと思ったら安藤さんの店に場所を変えて飲むだけだった。 酒が飲めない僕たちも一応お店までついて行った。 オフクロは結局、車を仁美さんの家の前に停めたままやってきた。明日取りに行くらしい。 そもそも近いんだから歩いてくればいいのに…スイカが重たかったんだろうけど……。 安藤さんのお店は貸し切り状態だった……と言うかいつもそんな感じだった。 オヤジ達かあるいは常連か、でもみんな知り合いだから仲間内。 冴子はいつものように和樹を子分のように従えている。 あの2人は学校でも全然立場が変わらない。 冴子は思ったより動くし、気が利く。単なるタカビーなお嬢様だけではない。明らかにそこは学校に居る時とは違う。 僕と宏美はテーブル席に並んで座った。 僕らの前に仁美さんが居る。 「今日の花火は綺麗だったね」 とハイネケンをグラスに注がずに瓶でそのまま飲んでいた。 なんかワイルドな人だ。 「はい。とっても綺麗でした。今日はBBQに参加して良かったです」 と宏美が応えた。 「いつもの顔ぶれが違うと楽しいわ。特に若い子たちが居ると良いわぁ」 と仁美さんは本当に嬉しそうに言った。
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