第4章 花火

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[廿七] オフクロが宏美に 「こんな息子だけどよろしく頼むわねえ」 と泣き真似をしながら頼んだ。 オフクロの言葉に救われた気がした。 宏美は 「はい」 と爽やかに言った。 その横顔を見て僕は彼女には絶対に勝てないなと思った。 やはり、宏美は強い。 オヤジがカウンターから笑いながらこっちを見てグラスを持ち上げて何か言っていた。 声は聞こえなかったが 「か・ん・ぱ・い」 と言っているのは分かった。 僕は苦笑いするしかなかった。
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