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「勿論、二人とも達成したよ。余裕で。というか全員当たり前のように達成していた。だから辞めずに済んだ。」
「へぇ~そうなんですかぁ」
「そう、自分のメンバーの為にクビをかけられる上司なんてね。あれは驚いたわ。あれは男気。そんな上司は後にも先にも藤崎さんしか知らん。」
「もし達成できなかったらどうしたんでしょうか?」
「間違いなく辞めていただろうねえ」
大迫さんは即答した。
「あいつはそういう見境の無いところがあるからな。」
と安藤さんはそう言いながらアイス珈琲を飲んだ。
「なんせ、藤崎さんは伝説の多い人ですわ。」
大迫さんもアイス珈琲を美味しそうに飲んで言った。
「社内で新入社員の欲しいモノアンケートで『藤崎さんのカリスマ性と金田さんの緻密さ』って言われるぐらいカリスマ営業マンやった。普通、自分のメンバーの為にクビはかけないなぁ。でもうちの大将は間髪入れずに受けたからね。驚いたわ。」
「その金田さんっていうのも売れている営業マンだったんですか?」
「うん。同じ営業所の藤崎さんの1期下の後輩でチーフだった人。この人も売れていたけど、担当していた地域と企業の顔ぶれが良かったから売れて当たり前ともいわれていたけどね。でもちゃんと売れていたし、理論派だったね。」
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