僕の存在意義

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『今日だってことを分かっているよな』 白衣を着たメガネのお兄さんが僕の部屋にやってくるなり真剣な表情で言う。 なんのことを言っているのかなんて愚問なことはもう言わない。 どうしようもないことだってわかっているから。 『最後にもう一回外の空気吸ってもいいですか?僕…あの香りが好きで』 隔離されたこの部屋は窓なんてものはなく、真っ白な部屋には僕の書いた勉強の公式やら覚えなきゃいけない単語がずらずら貼ってあるだけだった。 一年に4回だけ季節を感じるために外に連れて行ってくれる。 それも数時間しか出れないから、春は8時、夏は21時、秋は16時、冬は5時に連れて行ってもらう。 この時間が一番いい季節の香りがするかとに10年前分かってからずっと… でもそれも、もう終わりだ。 僕は白衣のお兄さんの声にうなずいた。
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