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登校して教室に入ると色んな会話が聞こえてくる。 友達のいない私は誰かと話すわけでも挨拶をするわけでもなく、おとなしく自分の席に着く。 この日は何故か一日が長く感じた。 授業が終わるたびに机に伏せる。 そして始まると起き上がり授業を受けるの繰り返しだった。 ようやくお昼になりすぐにお弁当を持って保健室へと向かう。 コンコン 「失礼しまーす」 ノックをして保健室に入る。 「こんにちは。どうしたの?」 そう先生に聞かれたけど私は答えなど持ち合わせていなかった。 「えっと…」 やっぱり理由がないとダメかな。 そう思いながら一生懸命言葉を探す。 そんな時。 グウゥゥウウ… 「え?」 先生が私を見て驚く。 「ご、ごめんなさい!ここでお昼食べようと思って、でも理由がないとダメかなって。それでなんて言ったらいいんだろうって考えてたらお腹が…」 思わず鳴ったお腹を抑えながら何を言ってるか、何が言いたいのかわからないことを話し出してしまった。 「ふふ。いいわよ。一緒にお昼食べましょうか。藤原華さん?」 「は、はい!」
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