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入学式から一週間たっていた。
「お母さん!行ってきます!」
「待って!華!」
「ん?何?」
お母さんに呼び止められ玄関で待っていると何かが渡された。
「はい。お弁当!今日からでしょ?」
「あ…すっかり忘れてた」
「まったく。華はぼーっとしてるんだから!」
「お母さんに似たんですー!」
「お母さんはお弁当忘れたことなんかありませーん」
お母さん…
それ何もすごくないよ…
「はいはい。それじゃ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
「はーい」
笑顔で家を出た私だけどお弁当を見つめながら考える。
「お弁当。一人で食べるんだよなー」
そう。
入学式から一週間もたったと言うのに私は友達が一人も出来ていなかった。
「保健室行こっかな」
そう呟いたけどすぐに首を横に振る。
「そんなことしたらもっと友達出来なくなっちゃうじゃん!」
別に友達なんて無理に作らなくてもいいよね。
いなきゃいけない存在なわけじゃないし。
「やっぱりお昼は保健室に行こう」
そう決めて学校に向かう。
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