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それから帰りは、祖母の家に寄るようなったある日。 「八伽せんぱーい!」 背後から呼ばれ振り向いた先にいたのは、学校で有名人の狼御 湖夏'ろうみ こなつ'。一年生。 金のショートカットに人懐っこい笑顔と高身長が特徴的。 有名人だから紅音は湖夏の名前を知っていたが、湖夏に名前を教えたことは一度もない。 「八伽先輩、ですよね!私、狼御 湖夏!」 「知ってます。有名だから。でも、なんで私の名前…」 「先輩、可愛いからクラスの人に聞いちゃった!」 「は?」 「あ、ごめんなさい…ダメ、だった?」 眉間にシワを寄せて聞き返すと、しゅーんと犬の耳と尻尾が垂れてそうな感じで紅音を見る。 「別に、いいですけど。何か用ですか?」 紅音は、あまり湖夏が、得意ではない。それは有名になった噂を聞いているから。 湖夏の噂は、女の子を彼氏彼女いるいない関係なく喰い散らかすというもの。まだ入学して半年程だというのに。 喰ってしまえば、後は興味がなくなり、捨ててしまう。逆に喰われた方はにハマってしまう為、かなりタチが悪い。 「ね、私と付き合ってほしいな?」 「なんの冗談ですか。罰ゲームですか」 「違いますよー。八伽先輩、可愛いから付き合いたいって思っちゃった」 「…………失礼します」 「あ、ちょっとー!ま、いいや。また、明日ー!」 無表情を突き通し、紅音はに一礼すると勢い良く自転車を漕ぎ、逃げる。 湖夏は、叫び明日も現れると宣言し、紅音の頭を悩ませるのであった。
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