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しかし次の日の朝、教室のドアを勢い良く開け、イラついた様子で恵は紅音の所にやってくるなり、パァンッと大きな音が響く。 一瞬、なにが起きたかわからなかったが、頬がジンジンと痛み始め、紅音が恵に叩かれたとわかる。 「湖夏君、始終あんたのことしか聞いてこなかった。ワタシのこと馬鹿にしてるの!?」 「は?」 「あんたの近くにいたというだけでワタシが誘われたのよ。やっとあんたに興味なくなったと思ったのに!」 「…あのさ、恵」 「なによ!」 「叩いた理由は?」 一生懸命に紅音は叩かれた理由を探すも、叩かれた衝撃でなのか頭が回らず質問する。 「湖夏君に惚れられてるからっていい気にならないで!もうあんたばっかりなんなのよ!」 「そう。私帰るね。こんな顔だし、恵ごめんね。今まで無理に付き合ってくれてありがと」 「あ…」 まだ来たばかりだった紅音だったが、頬を触ると熱く、赤くなっていることが分かり、1人で考える時間も欲しかったので帰ることにした。 唯一わかったのは、恵は無理に自分と友人として付き合っていたこと。 フラフラしながら赤いパーカーのフードを深く被ると学校を出て祖母の家の方に向かう。 しかし、こんな朝から祖母の家に行くなんて心配を掛けてしまう思い、途中の林に入る。道路から見えない位置に自転車を放ると木の影に膝を抱えて座る。
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