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突然、2人きりになってしまい、紅音は今にも倒れるんじゃないかというぐらい内面パニクっていた。 「せ、先輩!な、なんでここが?」 「ああ、それは狼御の野生の勘かなぁ」 「勘?」 「そう。経緯はね、紅音ちゃん…だったよね?紅音ちゃんの友達が慌てて教室に来たかと思えば泣いちゃってね。 携帯見た?」 陽平に言われ、携帯を確認すると恵と見知らぬ番号から電話が結構掛かってきていた。ついでに時間を見てみると今は放課後の時間である。寝過ぎて自分に引き、冷静になれたのは、ここだけの秘密。 「その登録していないのは狼御の番号。お友達から教えてもらって掛けてたんだ。家にも掛けたけど誰も出なかったみたいだし」 「あー…」 「それで、おばあちゃんの家かもって向かっている途中に何か気になるって中に入ったら君がいたんだ。お友達には見付けたら連絡するって言って帰ってもらったよ」 「すみません、ご迷惑お掛けしました」 一気に申し訳なくなり、陽平に紅音は頭を下げる。 「ううん、無事で良かった。叩かれた所も腫れ引いたようだね」 「は、はい」 陽平は確認に紅音の頬を触りながら微笑み、紅音の顔は今にも爆発しそうなぐらい真っ赤。 「せんぱっひぁ!」 紅音は何かを決意したように呼び掛けたが、携帯が鳴り、ビクッと肩を震わせた。 それは恵からの着信。 「………」 「恵ちゃん?出てあげるといいよ」 「はい…」 恐る恐るボタンを押して耳に近付けようとして大きな声が響く。 ≪紅音!?無゙事゙!?大゙丈゙夫゙!?≫ 「はいはい、恵。そんな大きな声出さなくても聞こえてるし泣かなくていいから」 ≪だって!だって!≫ 「ごめんね、考え事してたら頭ショートして寝ちゃってたみたいなの。先輩達に見つけてもらったし大丈夫だから」 泣きながら話し、謝る恵に自然と笑みが出る紅音。 「ただね?今、すごいいいところの邪魔したのは許さないから。今度、ミルキーのアイス、奢んなさいよ?」 ≪え!う、うん!≫ 「じゃあ、また…学校でね」 ≪うん!≫ 嬉しそうに恵は電話を切り、紅音もホッとしながら通話の切れた携帯を見た。
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