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「よーし、こんだけ確保すれば、ひと安心だな」 「ひと安心て……あんた、買い込みすぎ。黙って見てれば、どんだけ買うの? お腹壊すわよ?」  焼きそばに、たこ焼き。海鮮串焼き、フランクフルト、いか焼き、とうもろこし。多すぎでしょ。  と、私のためのあんず飴。うん。これは嬉しい、けどね。 「平気、平気。全部、大好物だから。んじゃ、行くか」 「え、どこ……きゃっ!」  片手に屋台の食べ物が入った袋を幾つも提げた竜が、空いた手で私の腰を攫った。  神社前で突き飛ばしてから手すら繋いでなかったのに、いきなりの密着で焦りまくる。  目前に迫った首筋からの汗の匂いに、一気に鼓動が跳ね上がった。
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