31人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「よーし、こんだけ確保すれば、ひと安心だな」
「ひと安心て……あんた、買い込みすぎ。黙って見てれば、どんだけ買うの? お腹壊すわよ?」
焼きそばに、たこ焼き。海鮮串焼き、フランクフルト、いか焼き、とうもろこし。多すぎでしょ。
と、私のためのあんず飴。うん。これは嬉しい、けどね。
「平気、平気。全部、大好物だから。んじゃ、行くか」
「え、どこ……きゃっ!」
片手に屋台の食べ物が入った袋を幾つも提げた竜が、空いた手で私の腰を攫った。
神社前で突き飛ばしてから手すら繋いでなかったのに、いきなりの密着で焦りまくる。
目前に迫った首筋からの汗の匂いに、一気に鼓動が跳ね上がった。
最初のコメントを投稿しよう!