1章 僕の平和な青春は、こうして遠ざかってゆく

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初めての制服に四苦八苦しながらもなんとか着替えを終えた。鶴美学園高等部の制服は、 上は紺色を基調としたブレザーで統一され、ネクタイの柄で学年を見分けるというものだ。 ちなみに、1年生は白のチェック柄、2年生は赤のチェック柄、3年生はチョコレート色のチェック柄となかなか珍しい色を使っている。女子はネクタイではなくリボンになり、学年の色を着用する。 おおっと、時計を見るともう8時になっていた。入学式は9時からの予定なので、あまり時間がない。家から学校まで歩いて30分といったところだから、優雅に朝食を済ませているヒマもない。 それもこれも原因はあと5分粘ろうとしたした僕と、大半は姉ちゃんによる過剰な『スキンシップ』 によるものは明確だ。僕は朝食を食べられないまま家を出るハメになった。 「めぐちゃーん、お姉ちゃんを置いていかないで~(泣)」 姉ちゃんが、僕の後を必死に追いかけてきて、今まさにダイブしようとしているので、僕はすかさず よけてかわした。姉ちゃんは僕がよけることなど想定していなかったのか、勢いよく地面に向かってダイブをかましたのだった。
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