9.君のいない世界

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「変なメールだけど、こいつは俺たちのそばにいたよ。俺は覚えてる」 「……うん」 「そして、この海で死ぬのは俺だったっていうのも納得できる」 「……」 顔を上げるとそこはあの時優ちゃんが海に飛び込んだ海岸だった。 「実際、波は想像以上で全然泳げなくて、でもその時誰かが俺と和也を助けてくれたんだ。このメールを読むまでずっとそれは海保の人だとずっと思ってたけど……」 目の前に見える海は穏やかであの日の荒れた海が信じられないくらいだ。
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