1.好きという気持ち

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『先輩、後輩イビリもマネージャーの仕事なの?』  そう言ってあたしの前に立ってくれた環奈はまるでヒーローだ。 いや、環奈は女の子だから厳密には違うけど、あたしにとってはウルトラマンみたいに見えた。 『私も入るから、よろしく、先輩』  綺麗な顔で迫力たっぷりにそう言われて、先輩達の顔は引き攣ってた。それから先輩達もそれなりに手伝ったくれたけど、夏が始まって地区大会で敗退と同時に先輩達も引退してしまった。それからもずっと環奈はマネージャーとして残ってくれた。 『ハナは頑張りすぎるのよ。ほら、そこの先輩! 荷物くらい運んでよ。こんな重たいの、女の子に持たせる気?』  環奈が居てくれることであたしは随分助けられた。 あたし達が二年になると一年のマネージャーが一人入ってくれた。だから環奈にはもういいよ、と言ったのに環奈はあたしの前で呆れるように笑った。 『別にハナを助けるためだけにマネージャーやってないから』  結局、それからも環奈はマネージャーを続けてくれた。 『それに高校生といえば、甲子園でしょ?』  そんな言葉に思わず笑ってしまった。環奈には本当に感謝してる。
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