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だけど環境が変わるとまたハナはいじめられたり。
助けようとすればもっとひどい状況になったりでどうしていいか分からなかった。
俺にとってこれは夢なのにすごく歯がゆかった。
もしもこれが現実で俺がそこにいたならもっとうまく助けることが出来たんじゃないか、とか思ったりしてさ。
だけど、あの雨の日、佐久優馬は死んでしまったんだ。
小学生の和也を助けようとして。』
「――っ」
あたしは左手を口元に当てて、息をのんだ。
全部あたしと優ちゃんのことだ。
『荒れた海に飛び込んで和也を助けられたところまでは良かったんだけど、小島に避難しようとして波に打ち付けられて切り立った岩で腹打って、さらに割かれたんだと思う。シャツが真っ赤に染まったのを覚えてるから』
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