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「あー、なんかいいとこ全部あいつに持っていかれたな。でも、このまんまあいつに負けるのはなんか癪だから」
優ちゃんの指がそっとあたしの髪を梳いた。
「俺、佐久優馬は春日ハナが好きです。誰にも、あいつにも渡したくないくらいに」
「優……」
「だから、俺と付き合ってください」
波の音が小さく聞こえる。
優しく何度も同じように繰り返してるのに、
『いいよ』って聞こえるのは気のせいだろうか?
「……はい」
潮風が気持ちいい。
きっとあたしたちは彼のことを忘れない。
これからもずっと一緒に居られる気がした。
【END】
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