9.君のいない世界

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「あー、なんかいいとこ全部あいつに持っていかれたな。でも、このまんまあいつに負けるのはなんか癪だから」 優ちゃんの指がそっとあたしの髪を梳いた。 「俺、佐久優馬は春日ハナが好きです。誰にも、あいつにも渡したくないくらいに」 「優……」 「だから、俺と付き合ってください」 波の音が小さく聞こえる。 優しく何度も同じように繰り返してるのに、 『いいよ』って聞こえるのは気のせいだろうか?  「……はい」 潮風が気持ちいい。 きっとあたしたちは彼のことを忘れない。 これからもずっと一緒に居られる気がした。            【END】
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