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コンビニに出入りするときの音楽が聞こえて目を向けると、男女のカップルがちょうど出てくるところだった。
6階だから、目を凝らしたら雰囲気でかろうじてわかる。
「……枦山と……おかっぱか?」
よろしくやってるようでなにより。
ふう、と息をつき、さっき伊崎がやったように背を手すりに預け、そのまま夜空を見上げる。
薄く星の光が見えるも、和紙を破いたような雲がところどころ散乱していて、お世辞にも綺麗な星空とは言い難い。
「あーあ」
ひとつひとつの片思いや、悲しいくらい短期間の交際を終わらせるたびに思う。
みんながこなしている“普通”は、自分にとってなんでこんなに難しいのかと。
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